2008年11月21日 (金)

オバマ次期大統領の勝利演説

もう、だいぶ経ってしまいましたが、今後の経済を考える上で重要と考えますので、改めてオバマ次期大統領の勝利演説について掲載されているサイトを以下に記しておきます。

オバマ次期大統領の勝利演説 英語全文http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-06.html

和訳:http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-05.html

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2008年11月12日 (水)

50年ぶりの大改正が予想される相続税―遺産取得課税方式―

12月中旬に予定される2009年度税制改正大綱で詳細が明らかになると思われる相続税の抜本的改正、いわゆる―遺産取得課税方式―ですが、資産運用のアドバイザーである匠にとっては不可欠の知識となるので、今、色々と研修を受けながら勉強中です。

以下、昨日勉強したまとめです。

●改正の背景
・相続税納税者を現在の5%から1990年頃の10%程度に増やす。
・法定相続人の数などからくる控除額の違いによる相続税額の不公平をなくす。

●現在の法定相続分課税方式との違いについて(控除額、税率は仮のシミュレーション)
・相続人が同額を相続するのであれば現行と同じ相続税額。
・相続財産を多くもらう者は相続税も現在より多く、少ないものは少なくなる。
・差異が大きければ大きいほど、トータルの相続税額は増える。

(以上ザックリと計算、控除額、税率は実際未定である)

●対策
・現在の相続対策は見直しを迫られる可能性あり。
・課税最低限の引き下げにより、課税対象者の大幅な増加の可能性あり。
・保険の非課税枠、年金保険について単純な活用ではなく周到なプランニングが必要。

今後もこの話題には注目していきます。

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2008年11月11日 (火)

予言めいたP.F.ドラッカー氏の言葉

本日、11月11日は経営学者P.F.ドラッカー氏(1909年11月19日-2005年11月11日)の命日です。
氏のお言葉に以下のようなものがあります。

『資本主義において利益の追求が最終目的になった時に資本主義は終わる。利益の拡大はあくまでも資本主義が成長していくための手段であって、最終目的は資本主義の拡大を通じて、個人が自由と平等を獲得することでなくてはならない』

2008年、利益の追求が最終目的であった投資銀行が破綻し、個人が自由と平等を獲得するために最も相応しく思える米国大統領が誕生しました。

ドラッカー氏は、この2008年をどのような思いで天国から見ているのでしょうか?

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2008年10月31日 (金)

平成バブル時の日経平均チャート

先日の記事“世界恐慌時のNYダウ”の続編です。
1980年代の日本株バブル崩壊の過程を検証してみます。

1970
(データ:Bloomberg)

A:38957.44(1989.12.29)
B:27251.04(1990.4.5)
C:33344.92(1990.6.8)
D:19781.70(1990.10.1)
E:27270.33(1991.3.18)
F:14194.40(1992.8.19)

G:20833.21(2000.4.12)
H:7603.76(2003.4.28)
I:18300.39(2007.2.26)
※チャートは月次終値

A→B:騰落率-30.0%、期間 約3ヶ月
B→C:騰落率+22.4%、期間 約2ヶ月
A→D:騰落率-49.2%、期間 約9ヶ月
D→E:騰落率+37.9%、期間 約6ヶ月
A→F:騰落率-63.6%、期間 約2年8ヶ月

G→H:騰落率-63.5%、期間 約3年
H→I:騰落率+140.7%、期間 約3年10ヶ月

“世界恐慌時のNYダウ”に似ているようでもあり、そうでもないような微妙な感じです。
共通するのは安値を更新する途中に、5~6ヶ月程度の反発局面が見られたということと、高値から底打ちまで3年弱かかっていることでしょうか?

そして、匠が注目したいのはもう一つのチャート、平成バブル崩壊以降のNYダウチャートです。

Ny1970_2
(データ:Bloomberg)

当時、『Japan as No.1』と呼ばれた経済大国“日本”の衰退が株価下落という形ではっきりする過程においても米国株式は順調な値上がりとなっています。

現在の日米欧の金融不安、リセッションの影響は、当時の日本のバブル崩壊とは桁が違うという意見もあるでしょう。

しかしながら、今後米国にとってかわって世界の経済成長エンジンとなる国家があるとすれば、その国家の株価チャートはいずれ上記のNYダウのようになるのではないかと匠は思っています。

You win a few, You lose a few, but you keep on fighting(映画Wall streetより)

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2008年10月30日 (木)

世界恐慌時のNYダウ

現在の世界的株価急落が1920年代の世界恐慌を連想させるとの意見が多いようなので、当時の株価チャートを分析してみます。

Ny19201955
(データ:Bloomberg)

A:381.17(1929.9.3)
B:198.69(1929.11.13)
C:294.07(1930.4.17)
D:41.22(1932.7.29)
E:194.40(1937.3.10)
※チャートは月次終値

A→B:騰落率-47.9%、期間 約2ヶ月
B→C:騰落率+48.0%、期間 約5ヶ月
A→D:騰落率-89.2%、期間 約2年11ヶ月
D→E:騰落率+371.6%、期間 約4年7ヶ月

現在のNYダウの動向などと比較することに意味があるのかどうか、またこのチャートをどう解釈するか、投資家ごとに様々な考え方があると思います。

近日中に平成バブル時の日経平均チャートもアップする予定です。
あわせて参考にしてください。

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2008年10月10日 (金)

世界資本主義株式会社

[登場人物]
・ イギリス 世界資本主義株式会社創業者
・ アメリカ  世界資本主義株式会社二代目社長
・ 日本 アメリカの実子
・ 中国 途中入社社員
・ 印度 途中入社社員

[あらすじ]
世界資本主義株式会社は先代創業者のイギリス爺さんが産業革命をテコに築いた会社である。
イギリス爺は、自身の高齢化により、この会社を引っ張っていくのが難しくなってきた為、1900年代初頭、自身の息子であるアメリカに事業承継を行った。

二代目社長となったアメリカはイギリス爺さんから受け継いだ会社を鉄鋼・自動車・鉄道など重厚長大産業によって画期的に発展させ、共産主義会社や社会主義会社などライバル会社との競争に打勝った。

また、後継者として期待している実子“日本”も高成長し、ようやく仕事をまかせられるようになってきた。

二代目社長アメリカは将来、製造業など体を使う仕事は日本達に任せて、金融業だけで悠々自適の隠居生活を送ろうと考えていたが、そんな折1987年秋、アメリカをブラックマンデーという心筋梗塞が襲った。

その時、世界資本主義株式会社の社長代理として活躍したのはアメリカの息子 日本であった。
日本は内需振興でがんばり、会社の業績悪化を防いだ。
しかし、日本はがんばりすぎた。

自身の体力を過信しすぎ、周りから次期社長(Japan as No.1!)と言われ天狗になっていた。
気がつくと、いたるところに不良債権という脂肪が付き様々な成人病を発症。
とても仕事が出来る状態ではなくなった。

その日本と入れ替わり、父親のアメリカは体力を回復。
もう一度、世界資本主義株式会社の先頭に立って働き始める。
重厚長大産業からソフト産業へ舵を切り、パソコン、IT産業を開発し、会社を更に発展させた。

しかし、2001年、その好景気もITバブル崩壊で限界を迎えた。
高齢化したアメリカにとって、この大きくなった世界資本主義株式会社を一人で支えていくのは非常に厳しい状況であった。

頼みの息子 日本は寝たり起きたりで、とてもこの大仕事を任せられるような状態ではない。
後継者として期待できるのは、共産主義株式会社から1978年、改革開放政策により転職してきた社員“中国”と1991年社会主義株式会社破綻によりスカウトした社員“インド”である。

それでも彼らが、この企業のトップとしてやっていくには、まだ数年の年月が必要であろう……

そこでアメリカは決断する。
「今、私がなんとかしなければ会社の業績は急降下してしまう」
「しかたがない、彼らが育つまで、財テクでこの危機を凌ごう!」
それは苦渋の決断であった。

低金利により住宅バブルを作り出し、貯蓄率がマイナスになっても日本や中国の製品を買い続ける。
彼らが輸出で力をつければ、必ずやこの企業を背負っていく存在になるはずだ……

残念ながら、その思いは通じなかった。

2008年、世界資本主義株式会社は財テクの失敗が発覚。業績は急降下、大した仕事をしてこなかった役員達(ヨーロッパ)は一斉に社長アメリカを非難。
なかでも息子である日本は、病床にあって輸出で食わせてもらった恩義も忘れ、非難する始末である。

そんななか、アメリカ社長という後ろ盾がいなくなっても自分の業務への影響は最小限であるという若手社員がいた。

インドである。

若手社員の間ではリーダー格として、アメリカ社長やヨーロッパ役員からも一目置かれているインドは先日も役員会で、

「私は地球上からの核廃絶を望んでいます。しかし、あなた達の都合の良いように決めた核不拡散条約(NPT)に従うつもりはありません。ですが私は平和利用のために原子力技術を必要としているので協力してください」

と言い、その主張が認められるなど存在感を示している。

21世紀、近い将来インドが世界資本主義株式会社の社長になる日がやってくることを期待したい。
今は『課長 島耕作』ぐらいか?

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2008年9月25日 (木)

バフェット節、炸裂!!

ゴールドマンサックスへの投資が話題となっている米著名投資家ウォーレン・バフェット。
そのインタビューでバフェット節が炸裂しています。

(前略)

BECKY: I was trying to figure it out.  I think it's about 24 billion dollars you've spent in the last nine months?

(ベッキー:見積もりとして、あなたがこの9ヶ月で使った240億ドルぐらいでしょうか?)

BUFFETT:  Yeah, we've spent a lot of money.  The money, the money we've spent, you know, we've found things we like to do.  It's nice to have a lot of money, but you don't want to keep it around forever.  I prefer buying things.  Otherwise it's a little like saving up sex for your old age.  (Laughs.)  At some point, you've got to use it.  (Laughter.)

(バフェット:そう、たくさんのお金を使った。確かにお金をたくさん持っているということは素敵なことだ、しかし永遠にお金を貯め込もうっていうのは良くないね。そんなのは、老人になるまでセックスを我慢するようなもんだ(笑)時々は使わないとね(笑))

JOE:  Uh-oh.

(後略)

CNBC INTERVIEW TRANSCRIPT & VIDEO, Part 2:  Warren Buffett Explains His $5B Goldman Investment
http://www.cnbc.com/id/26869518/site/14081545/

バフェット氏の名言は数々ありますが、セックスネタが結構多い気がします。
英雄、色を好むということでしょうか?

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2008年9月18日 (木)

世界中に蔓延する金融不安の解決策

最近、TVニュースを見ると、国内外を問わず、役人から評論家、キャスターまで、すごい暗い厳しい顔でしゃべっている。

こんな金融情勢だから仕方ないと言えば仕方ないが、株価っていうのはヒューリスティックな影響を受けやすいので、彼らの印象は金融不安を助長するものと思われる。

もう少しポジティブな話題、例えば原油価格の下落によりインフレ圧力が低下していますとか、もっと良好な部分もクローズアップすべきと思うが……

そういえば、以前こんなニュースがあった。

ルーマニア上院、「明るい話題」の報道を命じる法案可決 

[ブカレスト 26日 ロイター] ルーマニアの上院が、暗いニュースが多過ぎて人々を病ませているとして、もっと「楽しいニュース」を流すよう、テレビ局やラジオ局に命じる法案を可決した。

 バセスク大統領の承認が必要だが、同法案は、ニュースの放送では「明るい」話題と「暗い」話題に対等に時間を割かなければならないとしている。

 提唱した議員らは、暗いニュースが「極めて有害で、健康に取り返しのつかない影響を与える」と主張。上院はこの法案を全会一致で可決した。

今、この法案を可決すべきは日米欧の先進国だと思うが、どうだろうか?

 

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2008年9月16日 (火)

米リーマン・ブラザーズ証券破綻による影響と今後の展開予想

今回の米リーマン・ブラザーズ証券破綻により、米国はもちろん世界の株式市場が下落しています。
この下落は、世界的な金融システムに対しての不安と思われます。

ここでひとつ疑問があります。
それは、今年3月の金融危機において米証券界5位であったベアスターンズ社はJPモルガンへの迂回融資によって救われたのに、なぜ今回のリーマン社は救われなかったのかということです。

理由は色々考えられます。
モラルハザードの問題、住宅公社や地方銀行の問題、メリルリンチ救済との兼ね合いなど……
ただ、今回の金融当局は3月のベアスターンズ時と違い、リーマン社が破綻しても金融危機は避けることが出来ると判断したと考えられます。

なぜか?私はこの違いは原油価格、インフレ懸念の差にあるのではないかと思います。
つまり、3月時は原油価格上昇がとどまるところを知らず、インフレ懸念から金融緩和政策が取れなかったのに対し、現在の状況は原油急落で100ドルを割り込む状況、やっと金融政策という武器を中央銀行は取り戻したというわけです。

そう考えると、リーマン破綻を本日開催されるFOMC前まで引っ張ったようにも見えます。
現在、商品市況の悪化により原油だけでなく穀物、金属など広範囲に価格下落が見られ世界的にインフレ懸念は後退しつつあります。

いよいよ世界的な金融緩和の状況が整い、世界景気回復へスタートを切ることが出来るのではないでしょうか。

そしてその先頭をきって最も株価下落が激しい国、中国が15日夜、金融機関の貸出基準金利を1年物で0.27%引き下げ7.20%にすると発表しました。
中国の利下げは02年2月以来、6年7カ月ぶりです。

また、米国金融関係者の間では今夜のFOMC定例会合で利下げを決定するのではという観測が強まっているようです。

果たして米国の利下げはあるのか?欧州ECBは?インドは?

インフレ対策重視から景気対策重視へ舵が切られた時、世界経済という大船は若干のタイムラグを伴い大きく進行方向を変えると予想しています。

ちなみに、その時の燃料となる潜在的な買い余力は、ここ最近のリスク資産回避により大量の資金が蓄えられています。

9月4日のブルームバーグニュースによると米株買いのための投資家資金の総額を示すNYSEの現金と証拠金口座の残高の総和は今年7月で過去最高の1560億ドル、これはダウ工業株30種中時価総額が小さい5社、ゼネラル・モーターズ(GM)、アルコア、デュポン、キャタピラー、アメリカン・エキスプレスをまるまる買い取ることが出来る額です。

利下げというスイッチが入って、この燃料に火が点くのかどうか、注意深く見守っていきたいと思います。

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2008年8月31日 (日)

最後に今後の資産運用戦略も踏まえて

日本の食料自給率は先進国最低水準の40%、原油自給率にいたってはほぼゼロという状況で、金融資産を無策で放置していることの危険性を充分に理解しなければならないと思います。

1ドルが今の倍の200円になれば、物価高騰は直近の10%、20%値上げでは済まないかも知れません。

今後の資産運用戦略においては、円安となっても購買力を維持できることプラス元本の安全性(円ベース)を両立し、尚且つ超過リターンを追及したいと考えます。

具体的には、安定性資産として中身を外国株式30%、外国債券70%としたステップアップ原資保証型変額年金保険とインド株式投信を年齢・収入・資産・リスク許容度等に応じて適宜好ましい比率で組み合わせる資産ポートフォリオを推奨いたします。

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2008年8月30日 (土)

日本のマーケットについて

日本は今後最も厳しい時期を迎えるのではないかと危惧しています。

直近発表された4-6GDPは年率2.4%のマイナス成長、将来的に見ても世界最速で高齢化に向かう日本の人口動態は内需消費を期待することが難しく、これまで同様、外需頼みと思われますが、その外需も低迷が予想されます。

現在の日本が有効活用できるのは個人が持つ1500兆円と言われる金融資産以外見当たりません。
本来、この資産が日本に投資され内需が活性化されればベストですが、残念ながら日本に有効な投資機会は多くありません。

結果、今後、海外投資の比率が高まるのは必然と考えます。

経済成長が期待できず、財政赤字削減の道筋も危うい、海外からの投資については排他的であることからも日本円に対する需要は乏しいと思われます。

その結果予想されるのは日本円の下落です。
それも、その幅は予想以上のものになるかも知れません。

そうなった時、世界的には物価水準が下落あるいは安定的なのに対し、日本のみ景気悪化と輸入インフレが共存するスタグフレーションとなる危険には充分に注意を払わなければならないと考えます。

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2008年8月29日 (金)

注目するマーケットについて

インフラ整備を急務とし、また中産階級の消費が期待できるインドの経済成長は今後も最も注目されます。
同じ新興国でも昨年来の過剰投資が懸念される中国、商品価格に対する感応度の高いロシア・ブラジルマーケットは相対的に期待できないと考えます。

米国はインフレ懸念後退で多少のリバウンドは期待できるものの、金利水準がすでに低く、金融緩和の余地が乏しいため、魅力的な投資対象とは言いづらいでしょう。
欧州の先進国も人口動態を含め、新たな消費や投資は見出しにくく、安定感はあるものの成長性は感じられません。

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2008年8月28日 (木)

原油・商品市況について

日本の経済産業省報告では原油の需給要因のみで構成される原油価格は50-60ドルとしており、それ以上の部分は投機要因であり、確実に下がる方向に動くと分析しています。

経産次官、原油価格「確実に下がる方向で動く」 日本経済新聞 - 2008年6月23日
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080623AT3S2301J23062008.html

私自身も基本的に同意見であり、他商品価格においても商品取引マーケットにおける要因で価格水準が相当部分押し上げられていると考えます。
ただし、投機ではなく以下報告にあるように年金や投資信託などの長期的資金による投資が原因と考えています。

「米商品先物委報告書は、世界の石油需要は新興国を中心に3年間で4%程度伸びる一方、北海や米国の生産減により供給増は不十分で、需給不均衡が価格上昇圧力になったと分析した。ただ、年金基金などの長期的な投資資金が急速に商品市場へ流れ込んだことも原油相場上昇につながった、との見方を示した。
 報告書によると、この3年間で原油先物市場の取引残高は3倍以上、取引参加者はほぼ倍増したが、ヘッジファンドなどの投機家は価格変化とは逆の動きをしており、むしろ価格変動を小さくする「緩衝材」の役割を果たしているという。」

投機による原油高騰を否定 米商品先物委が中間報告 日本経済新聞 - 2008年7月22日
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080723AT2M2301F23072008.html

また、今回の原油・商品価格の下落は、以下ニュースに見られるように前述の投資部分で押し上げられたバブルの崩壊過程であり、もし仮に地政学要因等で一時的に過去最高値水準を切り上げることがあったとしても、100ドルを超える水準は長続きしないと予想いたします。

「米議会が機関投資家の国際商品投資を制限する法案審議を急ぐなど投資規制の動きをにらんで年金基金が原油先物への投資残高を圧縮、資金流入が細っている。」

NY原油、下落傾向続く 規制にらみ資金細る 日本経済新聞 - 2008年7月27日
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080728NT2M2601J127072008.html

J0185088

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2008年8月27日 (水)

世界及び各地域の景気・金利・物価動向について

先進国では消費需要の減退が深刻であり、今後は新興国の中流階級消費、インフラ投資が世界経済を牽引するエンジンとして期待されます。

しかしながら、中国はオリンピック景気終焉と共に過去の投資による過剰設備が問題となると予想されます。
具体的には鉄鋼生産の過剰設備などから景気悪化、また不動産不況などデフレ特有の現象が現れると考えます。

今後は世界的に景気低迷、物価下落、金利低下を予想し、インフレではなくデフレに注意すべきと思われます。

J0233913

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2008年8月26日 (火)

2008年前半(~7月)までの総括

昨日の理解の元で原油・穀物など商品価格高騰は実需に基づいたものではなく、マーケットにおけるバブルと判断、これに基づくインフレ懸念は商品バブル崩壊により解消されると考え、資金は経済成長が期待できる新興国へ向かうと予測しました。

しかしながら、米国において商品取引における法律が充分整理されていなかった関係(エンロン・ループホールと言われる商品先物近代化法など)などからこのバブル潰しに手間取り、予測不能なマーケットドライブ(買うから上がる・上がるから買う)を生んだことで、商品バブル崩壊によるインフレの沈静化は先送りとなりました。

結果、諸外国と比較し最後まで高値水準を保っていたインド株式も、その流れに抗しきれず1月後半以降大幅安となりました。

また、同じ新興国でも中東、ブラジル、ロシアなどは価格が高騰している原油・穀物・鉱物など一次産品の主要生産国であり、商品価格高騰による収入増とインフレ昂進が相殺しあった環境となっています。

J0180740

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2008年8月25日 (月)

2008年以前の証券・金融マーケットの理解

2007年に顕在化した米国サブプライムローンの破綻は、世界経済を牽引してきた米国個人消費の限界を表しており、米国を中心とした世界経済の構造が終焉し、中国・インドなど新興国を加えた新たな世界経済の秩序を構築するステージの入り口に立ったと理解しています。
本来は過去のバブル清算期と同様、昨年9月のFRB緊急利下げ等の金融政策で資金流動性が増加、金融不安の解消、株式・不動産の下げ止まりから穏やかに米国及び世界経済は回復すると思われました。(実際10月にNYダウは新高値を更新しています)

しかしながら、増加した資金流動性は株式・不動産へ向かわず、原油・穀物など商品に向かったことによりインフレ懸念が台頭、FRBは金利を下げればインフレによる景気悪化、上げれば金融不安というジレンマに陥り金融政策は無効となりました。
結果、米国を中心とした世界経済は金融不安という火種を残し、無策のままインフレ昂進、景気低迷を見守ることとなりました。

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2008年8月22日 (金)

2008年後半に向けて資産運用戦略はどうするか?

2008年前半の経済・金融環境は、ここ数十年来見られなかった世界的なインフレ懸念により混乱を極めました。
また同時に資産運用においても昨年までの好調なパフォーマンスを維持することが困難な状況にありました。

このような中、8月に入り昨年来高騰を続けていました原油他穀物等商品市況に変化が見られます。
このことが大きな転機となって世界経済は回復に向かうのか、それともこれは一時的な現象で世界的なインフレ昂進は今後も続き世界経済は低迷を続けることになるのか?
以下の項目について、明日より考えを述べると共に、今後の資産運用戦略はどうすべきかについて考察したいと思います。

1. 2008年以前の証券・金融マーケットの理解
2. 2008年前半(~7月)までの総括
3. 世界及び各地域の景気・金利・物価動向について
4. 原油・商品市況について
5. 注目するマーケットについて
6. 日本のマーケットについて
7. 最後に今後の資産運用戦略もふまえて

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2008年8月20日 (水)

FTGメルマガをご覧の皆様へ

ファイナンシャル・テクノクラート・グループ(FTG:http://www.iftg.net)のメルマガをご覧の皆様、いつもありがとうございます。
さて、最近メルマガをお送りする際、何件かのメールアドレスが送信エラーとなっています。

もし、メルマガを申込いただいてる方、以前は来ていたのに最近来なくなったと思われる方は大変恐縮ですが以下お問い合わせフォームにてお問い合わせいただけますよう、よろしくお願いいたします。

FTGお問い合わせフォーム
http://homepage3.nifty.com/financialtechnocrat/contact.html

現在のところ、毎週週初FTGインド株ニュース、毎月FTG Mail News(6月号は都合によりお休みしました)お送りしています。

以上、よろしくお願いいたします。

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2008年7月31日 (木)

元本保証より一歩前へ進む

世界的に株式市場が荒れると当然のことながら資産運用も安定志向になりがちです。

特に過去資産運用で痛手を被った投資家は、預貯金の他、元本保証の金融商品以外は不安で…という方も多いと思います。

元本保証とは、運用期間全てにわたり、投資した金額(元本)の額が減らない(元本割れしない)ことを保証することです。

よって正確に言うと国債等は元本保証ではありません。

なぜなら、金利上昇時には国債の価格が下がるからです。(個人向け国債、物価連動債などは除く)

しかしながら、国債は満期時に額面で償還されることが決まっています。(債務不履行[デフォルト]がなければ)

額面以下で購入、あるいは金利を含めた回収金額で考えるなら、国債は償還まで保有した場合、投資金額を下回ることはまずないと考えられます。

このように、元本保証ではないが、ある一定期間後に投資金額が保証される金融商品で注目されるのが年金原資保証型と言われる変額年金保険です。

比較的多いと見られるのが、据え置き期間10年の変額年金保険で、中身に投資信託を用い、10年後運用成果がマイナスであっても投資額は保証され、その後年金受取りか、一括受取りか選択できるものです。

更には、運用中の利益を確保し最低保証額が上がるステップアップ保証付のものもあり、使い方によっては非常に有効な投資対象であると考えます。

ただし、この年金原資保証型変額年金という商品は、投資信託の運用費用に加え、投資金額を保証する保険費用部分が年2%程度かかり、全体で年3%前後のコストがかかります。

また、株式資産の組入れが制限されているものも多いことから、高いパフォーマンスを期待することは難しいと思われます。

しかしながら、外貨資産に対する制限がないものもあり、日本経済の不要なリスクをヘッジしつつ購買力を保つ手法としては優れているのではと注目しています。

個人的には、ハイパフォーマンスを求めるインド株式投資のポジションとの組み合わせに興味深いものを感じています。

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2008年7月28日 (月)

ピラミッドじゃないじゃん!

匠です。

最近、忙しさにかまけてブログ更新を怠けてました・・・すいません。

ところで、ちょっとショッキングな図を見つけたのでアップしておきます。

国立社会保障・人口問題研究所HP(http://www.ipss.go.jp/

2040年、日本の人口ピラミッド

2040

わかってはいたものの、改めて見ると恐ろしい感じがします。

30年後の日本経済はどうなっているんでしょうか?

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2008年7月10日 (木)

21世紀新型インフレに対する処方箋

前述したように、現在進行中の21世紀新型インフレは主に原油価格高騰を原因としたコストプッシュ型インフレであり、その価格高騰は1970年代オイルショック時のような需給バランスや地政学リスクではなく、投機的売買動向であると考えられます。

原因が自然などコントロール不可能なものと違い、市場価格のコントロールということから、対処については1970年代のケースより容易と思われます。

まず、市場つまりは相場というものの性質上、最初はゆっくり始まるが、突然加速し、最後は完全にヒステリー状態に陥るものであり、数学的には、買うから上がる、上がるから買うなどの非常に強いポジティブ・フィードバック・ループが働いている動学的複雑系と呼ばれ、その特徴としてある臨界値に達すると理由もなく価格が崩壊する性質を持っているからです。

特に最近の原油価格は非常に高いボラテリティを示しており、相場というシステムが内在する不安定性を垣間見せています。

ただし、その原油価格が崩壊するタイミングや水準については、地震の起こる日時や規模が予測できないのと同様に、わかりません。(相場と地震は同じく動学的複雑系の性質を持っていると言われています)

また、その崩壊を促すきっかけとして以前にも述べた投機マネーを規制の動きもあります。

投機マネーが主犯? 米議会で規制論高まる  (6/25 msn 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080625/amr0806251820013-n1.htm

原油価格が下がれば、1970年代同様インフレを恐れず金融政策が取れるようになります。
そこで初めて金融システム不安も後退し、世界経済は新たな枠組みで力強く動き出すことになるでしょう。

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2008年7月 9日 (水)

過去の代表的なインフレについて

A型:需要インフレ(ディマンド・ブル・インフレ)
1955年以降の日本の高度経済成長時代が代表的な例、「三種の神器」をはじめとする耐久消費財が急速に普及、マイルド・インフレ状態の中、需要増大を背景とし年率10%を超える経済成長を遂げました。

B型:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)
日本において、1973年~74年および1979年の2回にわたりオイルショックによる一時的に急激なインフレが発生しました。
1974年、消費者物価指数で23%の上昇となり、インフレ抑制のために公定歩合の引き上げが行われ、企業の設備投資などが抑制。
結果1974年は-1.2%と戦後初めて、マイナス成長を経験し、高度経済成長がここに終焉を迎えました。

C型:資産インフレ
日本の経済史上で1980年代後半~1990年代初頭にかけてみられたインフレです。
過剰な投機熱による資産価格の高騰(バブル経済)によって支えられ、その崩壊とともに急激に後退。
その後の平成不況(複合不況、失われた10年)の引き金となりました。

ハイパー・インフレ
1988年、アルゼンチンでは経済成長の後退からハイパーインフレが発生。
1989年には対前年比50倍の物価上昇が見られ、1992年にアルゼンチン・ペソと米ドル間の固定相場制を導入するまで、経済が大混乱となりました。
国家財政の破綻はもちろんのこと庶民のタンス預金は紙屑同然となりました。

スタグフレーション(stagflation)
1973~1974年の第1次オイルショック、1979年の第2次オイルショックでは多くの先進国がスタグフレーションに悩まされました。
1980年代に入って石油価格がほぼ半値まで低下して、スタグフレーションから脱却することに成功しています。
生産設備や生産工程の見直し、省エネルギー運動もその一因です。

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2008年7月 8日 (火)

21世紀新型インフレ

現在のインフレは原油など一次産品の市場価格高騰が産んだB:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)であり、消費減退を伴い合併症であるスタグフレーション(stagflation)を引き起こしています。

B型インフレの主な原因(Cause)と理由(Reason)を考え、分類すると

原因(Cause)
1「原油価格」
2「鉄鋼など金属価格」
3「穀物価格」
4「賃金」

理由(Reason)
1「需給バランス」
2「地政学リスク」
3「投機的売買動向」

そこで現在のインフレをインフルエンザウイルス風に解説すると、

C1R3型のB型インフレーションで、合併症であるスタグフレーションを引き起こしている。
尚且つ、局地的なものではなく、世界的な大流行(パンデミック)となっており被害拡大が懸念される…といったところでしょうか。

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2008年7月 7日 (月)

恐ろしい合併症、スタグフレーション(stagflation)

インフルエンザが悪化して、肺炎やインフルエンザ脳症といった合併症を引き起こすのと同様、インフレもスタグフレーション(stagflation)と呼ばれる合併症を引き起こすことがあります。

スタグフレーション(stagflation)とは経済現象の一つで、stagnation(停滞)、inflation(インフレーション)の合成語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指します。

景気回復を図る為に、金利を低目誘導したいが、そうするとインフレを昂進させ、余計に景気を落ち込ませるなど、金融政策が取りづらくなります。

まさに現在の米国経済の状況です。

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2008年7月 4日 (金)

インフレの速度別分類

クリーピング・インフレ
ゆるやかに進むインフレ。インフレ率は年数%で、好況期に見られる。経済が健全に成長していると見なされ、望ましい状態と言われることが多い。マイルド・インフレとも呼ばれる。

ギャロッピング・インフレ
早足に進むインフレ。インフレ率は年数十%。スタグフレーションに伴って生じることがある。

ハイパー・インフレ
猛烈な勢いで進行するインフレ。極端な場合、一日単位や数時間単位で貨幣価値が変わることもある。通貨の信用が失われた状態である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

注目されるインド経済は今年初めまで6%以下のマイルド・インフレ状態が続き、非常に良好な環境でした。
それが、今年原油価格が100$/blを超えたところから徐々にインフレが悪化。
ギャロッピング・インフレとの境目10%を突破しました。
政府はなんとか早期にマイルド・インフレ状態に戻したいと考えています。

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2008年7月 3日 (木)

インフレの種類

インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3型があるように、インフレにも型があります。
匠流解釈では次のようになります。

A型:需要インフレ(ディマンド・ブル・インフレ)
B型:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)
C型:資産インフレ

以下、それぞれ説明します。

A型:需要インフレ(ディマンド・ブル・インフレ)
消費や投資が好調で需要増大が引き起こすインフレです。
国民所得の増加を伴い(完全雇用が達成されていない場合)、比較的良性のインフレと考えられます。

B型:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)
生産要素(石油や一次産品などの原材料)の価格上昇が引き起こすインフレです。
国民所得の減少を伴い悪性のインフレと考えられます。
インフレと景気悪化が共存するスタグフレーションを説明する要因です。

C型:資産インフレ
金融緩和等の流動性供給により行き場を失ったお金が、株式や不動産などの資産価格を過剰に上昇させることによって引き起こされます。
資産バブルとも呼ばれ、多くの場合金融引締めなどで大幅な価格調整を引き起こします。

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2008年7月 2日 (水)

インフレはなんとなくインフルエンザに似ている?

匠です。

インフレーションとインフルエンザ…
なんか似ていると思いませんか?

インフルエンザ(influenza)とはインフルエンザウイルスによる急性感染症の一種ですが、「影響」を意味するラテン語(英語でいうinfluence)にちなんでこの流行性の感冒をインフルエンザと名付けたそうです。

インフレーション(inflation)は元々「膨張」を意味するそうですが、“infl”という接頭語が同じことからも、この二つには共通点が多いように思います。

例えば、いくつかの型を持ち、原因となるウイルスが違うこと、他にも合併症を引き起こすことや、治療が対症療法中心であることなのです。

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2008年7月 1日 (火)

インフレの定義

インフレ、インフレーション(inflation)は、物価が持続的に上昇する経済現象です。

反対語はデフレ、デフレーション(deflation)とは、物価が持続的に下落していく経済現象。

物価上昇率(インフレ率)が低下すること、すなわち物価は上昇しているが大きく上昇しなくなることはディスインフレーション(disinflation)、略してディスインフレであってデフレではありません。

リフレは、過剰設備の解消により、物価下落率が縮小し、物価上昇率が0以上に向かうことです

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新型インフレの研究

匠です。

昨日もインフレについて書きましたが、今回のインフレというものがどういうものか、詳しく研究してみて欲しいというご意見等もあって、匠なりに分析してみたいと思います。

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2008年6月30日 (月)

インフレ世界危機?

匠です。

さて、前週Newsweek日本版の表紙

『インフレ世界危機』…

今更ながら、メディアというのは危機感を煽るのが本当に好きだな~と感じる匠であります。
(まぁ極端な表現をしなければ興味を持ってもらえないという事情もわかりますが…)

変な話、「危機だ!」「危機だ!」「インフレ危機だ~」と叫んで、多くの人間がそれを真に受け

「いかん、今の内に買い溜めしておこう」と思い出したら、短期的な需要急増に商品の供給が追いつかず、物不足になり価格は急騰します。

もし、そうなったらメディアは“我々の記事はこの事態を以前から見通していた”なんていうんでしょうか?

悲しいことではありますが、この手の『狂言インフレ』っていうのは馬鹿になりません。

昔、ある信用金庫が女子高生のたわいない一言“信用金庫は危ないよ”という冗談から取り付け騒ぎが発生しパニックになったことがあるぐらいです。

特に最近、金融面において商品ファンドやETF他、商品先物を組入れたファンズオブファンズが増えてきております。

この状況が商品価格上昇に与える影響は決して小さくないと思われます。

このことに関し、先日6月23日放送のNHKスペシャル「マネーの暴走が止まらない~サブプライムから原油へ~」において、ある年金担当者の発言が非常に興味深いものでした。

“我々が原油等の商品に投資することによってガソリン価格が上がれば我々の顧客である年金受給者は困るであろう”
“しかし、我々が商品に投資しなくても誰かが投資する”
“もし我々が投資しなければ我々の顧客はただ困るだけになってしまう…”

上記の発言から、彼ら機関投資家は自らの商品投資がインフレを促進させ、顧客である国民に不利益を与え、尚且つ他運用資産の株式・債券のパフォーマンスを悪化させる可能性を充分に認識していると思われます。

彼らの立場を考えると、他に選択肢はないのでしょう。
まさに、自らの首を絞めていることに気付きながら、どうしようもないといったところです。

しかし、匠から見れば、彼らは重要なリスクについて言及していません。
それは、商品価格の下落についてです。

確かに、周りの年金も商品投資を取り入れているから…ということはあるでしょう。
年金のキャッシュアウトがインフレ率と相関があることもわかります。

しかし、この構図…最近見た覚えが…

そう、サブプライムローンです。
投資銀行がせっせと組成し、あらゆる金融機関やファンドに撒き散らし、現在の金融危機の原因を作った奴です。

今度は、商品の代表格である原油に関して過去から狼少年的に言われている「ピークオイル説」を声高に叫び、自分たちで買い煽っておきながらインフレの危機だと言い、インフレヘッジに商品先物を組み込んだ金融商品をと言って売りまくる。

6月28日日経新聞“市場の話題”によると、投資銀行は石油会社同様、貯蔵タンクも持っているそうで、まったく恐れ入ります。

現在、米議会は原油先物市場での投機抑制を狙った3本の法案として、投機筋の建玉上限の設定、投資銀行のエネルギー・トレーディングの自己ポジション公開を義務付け、年金基金など大手機関投資家による市場参加禁止などを提案しているようです。

匠には、この状況を利用して、彼ら投資銀行が自らのポジションを年金や個人投資家有する投資信託に押し付けるように思えてなりません。

もし、匠の想像通りになれば、一部の投資銀行は商品ポジションを利食いし、商品価格は下落、政治家は面子を保ち、インフレを止めたと自負するでしょう。

バカを見るのは、インフレ危機などという言葉に踊らされて、金融商品を通じ史上最高値となるような価格で商品を買った人達となるのではないでしょうか。

原油価格には「需給バランス」「地政学リスク」「投機的売買動向」の3つの要素があります。

需給バランスについては、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)データによると、原油の消費から生産を引いた需給バランスは2007年11月にピークを形成した後、来年3月にはほぼバランスすると見られており、また地政学リスクは常に不確定であるが、過去の中東戦争のようなきな臭いものは見られないと考えます。

個人的にポイントとなるのではないかと思うのが、8月アメリカにやってくる“ハリケーン”の季節です。
このハリケーンによって米国製油所に何かアクシデントがあれば、原油価格は大きく影響を受けると思われます。
それだけに、このあたりの時期を中心に原油を中心とした金融商品の実質的保持者が変わり、価格トレンドも大きく変化すると予想しています。

先の番組で年金運用担当者の彼は、会議で“皆さんグッドニュースです。商品ファンドのパフォーマンスがすごく良かったようです”と笑顔で報告していました。

世界の多くの人々が、原油価格の下落、インフレの緩和で笑顔を見せるようになった時、彼の顔は苦渋に満ちたものになるかも知れません。

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2008年5月23日 (金)

インフレへの処方箋となるもう一つの資産

匠です。

昨日の記事でインフレヘッジの為の資産である商品投資が、更なるインフレを助長し自分で自分の首を絞めかねないということについてお話いたしました。

商品投資以外でインフレヘッジとなりえる資産はあるか?

匠はあると考えます。

それは、原油及び資源を採掘する企業の株式であったり、農業に関連した企業の株式です。

もっと言えば、原油に変わる代替エネルギー(太陽・風力)や農産物の生産性向上(肥料や種子の開発、灌漑設備等インフラ整備)に関連する企業の株式に投資することです。

日本にもいくつか興味深い企業がありますが、世界を見渡せば、あまり知られていないものの、このような分野で非常に高度な技術を持っている企業がいくつもあります。

匠としては商品ファンドへの投資を推奨するより、このような企業の株式をポートフォリオに組み込むことでインフレ耐性を持った資産運用を案内したいと考えています。

昨日お話ししたITバブル期でも、携帯電話用半導体の需要に供給が追いつかず、価格が急騰したことがありましたが、設備が整えば充分な供給体制はタイムラグを伴うものの出来ます。

現在、エネルギーや穀物等の需給バランス悪化によりインフレの高進が懸念されていますが、上記の創造的企業等によって供給体制が整備されればインフレは沈静化するのではないでしょうか。

このような投資こそ自らを助ける投資になるものと匠は期待しています。

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2008年5月22日 (木)

実需と仮儒、投資と投機

匠です。

NYの原油先物相場(WTI)は1バレル当たり130ドル台を突破してきました。
この事態は現在世界で進行しつつあるインフレ懸念を増進させ、世界景気の足かせとなることが心配されます。

ちなみに本日の日経新聞によると、今年の原油価格見通しを

・ゴールドマンサックス:107ドル→141ドルへ修正
・クレディスイス:91ドル→120ドル
・ブーン ピケンズ(米投資家):150ドル

と予想しているそうです。

この予想の修正の仕方、そして各評価主体のバラツキを見て、匠はある時期を思い出します。

それは、1990年代後半に起きたITバブルです。
 
当時、携帯電話やインターネットの拡がりは、そのスピードを予想するのが難しく、関連企業の企業業績そして企業価値(株式価値)の算定評価は前提条件の取りかたによって各評価主体ごとバラバラ、後にITバブルと呼ばれる投機的相場により値付けされた株価を正当化する為にこじつけたような前提条件や評価手法が散見されました。

以前、客観的評価が難しくコンセンサスにバラツキが出るものほどバブル化しやすいという研究レポートを読んだ記憶があります。

そう考えると、原油価格のファンダメンタルズファクターは、需要面で世界の経済成長他、代替エネルギーの開発状況等、供給面で採掘量・埋蔵量他、精製設備の稼動状況、地政学的状況など統一した客観的評価が難しく原油の市場価格はボラタイルな動きになりやすいマーケットと考えられます。

結論から言えば、匠は現在の原油相場は投機的な色彩が強く、現実の需給を反映しているとは思えません。

匠に言わせれば、現物で受渡されたら困る、決済を前提とした商品への投資行動は投機と定義されます。

株式の信用取引なら期日に現物で受渡されても、保管コストもわずかですし、配当が期待できるものもあるかも知れません。
しかし、原油先物などで現物で受渡されても、石油会社などでなければ膨大な保管コストが掛かる上、原油自体は何も生み出さないのです。

最近、資産運用というものを考える中で、株式や債権という伝統的な資産に加えて、商品への投資を検討すべきではないかという意見が増えているようです。

確かに、目の前のインフレ懸念を考えるとダイレクトにヘッジ可能なそれらの商品ファンドを資産運用に組入れることは自然な流れです。

しかし、それは自分で自分の首を絞めることにならないでしょうか?

ちなみに日経新聞2007年11月22日朝刊によると、各資産のマーケットサイズは

世界の株式市場(時価総額):7200兆円(07年10月時点)
世界の債券市場:5500兆円
米国の原油先物市場:14兆円

日本の投資信託で最も有名と思われるグローバルソブリンその純資産残高は5兆円強、ちょっとした投資信託でも純資産1000億円ぐらいのものは数多くあります。
このことから商品相場への投資がマーケットに及ぼすインパクトは株式などとは違い、決して小さくないと思われます。

自らの投資アドバイスが商品価格高騰を煽り、その為にインフレや食糧危機を助長し、非資源国・非農業国の貧困を加速する投資を推奨すべきなのか?

次回、インフレへの処方箋となるもう一つの資産にて、匠の考えを述べたいと思います。

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2008年5月14日 (水)

資産運用に関する原理主義

匠です。

どうも最近、モダンポートフォリオ理論の知識が普及したことで、長期・分散投資、インデックスファンド、ドルコスト平均法、ロスカットルールなどが資産運用の王道で、この王道に反したやり方は間違っていると指摘する投資本やサイトを見かけます。

 

でもその考え方は本当に正しいのでしょうか?

 

短期・集中型の投資スタイルで儲けた方もいらっしゃるでしょうし、ウォーレン・バフェット氏のような正統派の投資家はロスカットなどしないどころか、安ければ買い増すかもしれません。

匠から見て、前述の考えを頑なに支持する投資家達はバートン・マルキール氏の『ウォール街のランダム・ウォーカー』を原点としたMPT(モダンポートフォリオ理論)原理主義と言えそうです。

匠はMPT(モダンポートフォリオ理論)原理主義のやり方が間違いだと言っているのではありません。

ただ、他の方法論は間違いと切り捨てるのはおかしいと考えているわけです。

世界的に著名な投資家を見回しても、ウォーレン・バフェット氏はブラジル通貨・債権で、ジム・ロジャーズ氏は商品で、ジョージ・ソロス氏はインド株式でここ数年間高いパフォーマンスを得ており、その方法論はバラバラと言っていいでしょう。

 

投資家には、それぞれの投資家なりに相応しい資産運用方法があるのではないかと匠は思っています。

それゆえ、匠はお客様とよくお話をしながらオーダーメイドで運用プランを作っていくのです。

その過程では、匠が考える資産運用論についても意見を交わすことがあります。

匠の考える資産運用論については、以前にも『匠's 証券投資論』をこのブログにアップしましたが、ちょっと難しくてよくわからないとの指摘を受けました。

これを、なんとかわかりやすく伝えられないかというのは匠がずっと考えている課題であります。

 
 
そんな時、読んだのが、関西弁をしゃべるインドの神様「ガネーシャ」が成功へ導く?というエンターテイメント系自己啓発本『夢をかなえるゾウ』でした。

お硬くなりがちな人生論みたいなものが、楽しくわかりやすく感動的に書かれています。

 

資産運用の方法論についてもこういう風にわかりやすく、読んで面白く書けたら…

 

そこで、この本の中でガネーシャも“お客さんの為に模倣するんやで”と言ってくれてましたので(?)、お言葉に甘え、匠流にアレンジした『ガネーシャ式資産運用法』に挑戦してみました。

明日より全48回予定で毎日アップする予定です。

もしよかったら読んでくださいね!

『ガネーシャ式資産運用法』は、残念ながら中止削除要請がありました関係で新規のアップロードを中止、途中までのものは削除いたしました。
ご迷惑をおかけいたしました方々申し訳ありませんでした。
また、途中まで楽しみにご覧いただいた方々にもお詫び申し上げます。
またいずれの折にか
再度内容を変更してチャレンジするつもりですので、その節はよろしくお願いいたします。

 

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2008年4月 7日 (月)

Making of Takumi's Theory

匠です。

アップが途中とびとびになりながらでしたが、匠が考える市場メカニズムの一部をまとめてみました。

たぶん、これを読んで納得したからといって、儲かると思った人はいないと思います。

結局、重要な部分である群衆行動の尺度を何に求めるのか?ファンダメンタルズの尺度はという部分に触れていないからです。

この二つの部分に何を使うのかは、投資家それぞれが決めることであり、特に決まっているものではありません。

群衆行動の尺度に出来高移動平均を使おうが、他のVRを使おうが、またファンダメンタルズの尺度にPERを使おうが、イールドスプレッドを使おうが自由です。

匠の想像ですが、著名な投資家であるピーター・リンチ氏もウォーレン・バフェット氏も、株価が完全なランダム・ウォークとは考えていないと思います。

彼らには彼らなりの群衆行動の尺度、ファンダメンタルズの尺度があり、それらに正しいとか間違っているとかの教科書的判断は通じないのではないかと匠は思っています。

匠はファンダメンタルズの尺度を考える時、独自の理論として『資産価値効用の三面等価』というものを意識していますが、このことに関しては、また日を改めて解説したいと思います。

最後に、この『コヒーレント仮説』について解説されたトニス・ヴァーガ著 『複雑系と相場』を以下写真付きで紹介いたします。

匠

でも、この本4200円(税別)もするんですよね~

内容からすれば高くはないと思いますが、一般の投資家にとってはちょっと・・・という値段ですよね。

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