ウォール街のマルチフラクタルウォーカー
1990年代以降コンピュータの発達もあり、株式市場の動向を数学的に裏付ける作業が進み、
その結果、株式市場の動向がランダムな正規分布に基づくという古典的な仮説には誤りがあるらしいとの疑いが持たれるようになりました。
現実のデータから、株価の大きな変動(暴落)は正規分布の予測よりもはるかに頻度が高いということです。
具体的には1987年10月19日、1日に22.6%も株価が下落したブラックマンデーは正規分布によれば、5標準偏差、5億年以上で1度起こる確率なのだそうです。
これらの研究のさ中、1999年2月、Scientific American Magazineにある論文が掲載されました。
『A Multifractal Walk down Wall Street(ウォール街のマルチフラクタルウォーカー)』
http://www.elliottwave.com/education/SciAmerican/Mandelbrot_Article2.htm
タイトルからしてバートン・マルキール博士に喧嘩を売ってます…
作者はベノワ・マンデルブロ、数学者でエール大学の名誉教授、フラクタルの父と呼ばれる複雑系研究の大御所です。
この論文でマンデルブロ教授は、古典的な金融モデルの欠点を指摘し、数学的な現代ポートフォリオ理論は現実を無視していると説いています。
“現代ポートフォリオ理論は、それをあまりに強く信じる人々や理論家の挑戦に対し、危険を引き起こす”
(Modern portfolio theory poses a danger to those who believe in it too strongly and is a powerful challenge for the theoretician.)
現在、日本でも1500兆円という個人金融資産が資産運用を意識し始めたと言われ、本屋には様々な投資本が並んでいます。
匠は、「あほな僕でも●億円儲かった!」などという、タイトルだけで読む価値の無いことがわかる素人本の著者だけでなく、投資知識(ファイナンシャル・リテラシー)があると思われる経済評論家・エコノミスト・ファイナンシャル・プランナーでさえ、マンデルブロの言う“危険”に気付いていないような気がしてなりません。
そして、この“危険”の裏側に、ほとんど誰も知らない“収益チャンス”が眠っていると匠は考えています。
それを理解するためのキーワードが『複雑系』なのです。
この後、その『複雑系証券投資論』について説明しようと考えているわけですが、その前に、もう1つの重要な概念である『ナイトの不確実性』について話しておきたいと思います。
>>続く
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)






最近のコメント