世界経済1820年への回帰
匠です。
先週4/18金曜日、国際シンポジウム「インドの潜在力と世界経済」を聴きに行ってきました。
スピーカーは以下4名
・ 小島 明 日本経済研究センター会長(兼モデレーター)
・ イーシャー・アルワリア インド国際経済関係研究所会長
・ アン・クルーガー 米ジョンズ・ホプキンズ大学教授
・ 榊原 英資 早稲田大学教授、同大学インド経済研究所所長
榊原 英資さんは以前“ミスター円”の名で通っていましたが、最近では“ミスターインド”と言われるほどのインド経済研究の第一人者です。
内容的に、特に目新しいものがあったわけではありませんが、榊原さんの話で1820年代、世界経済の半分は中国・インドで占められていたが今後の世界もそうなっていくだろう、つまりRe.Orientだというのがありました。
これはちょっと調べておこうと思い検索した結果、少し古いですが
財務省管轄の財務総合政策研究所[アジア経済情勢研究会:報告書]
“通貨危機後のアジア経済の動向について”(座長 東京大学東洋文化研究所所長 原 洋之介)
第九回研究会(平成11年6月14日)
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk013k.htm
で総括されている内容がよくまとまっているので以下抜粋して記しておきます。
しかし平成11年にここまで話し合われているのに、このレポートは役立てられているんでしょうかねぇ?
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③ 世界経済史の流れ
(A)産業化の流れ
グローニンゲン大学のアンガス・マディソンという有名な教授が、世界の経済成長を数量的に取り扱うという作業をプロジェクトとしてずっとやってきており、OECDから有名な「Monitoring the World Economy,1820-1992」を出版している。これは学問的にはまだ問題が非常に多いものだが、今回はそういう問題は全部抜きにする。マディソンは、この約2世紀にわたる世界経済の動きを、国民所得と人口によって推計している。価格は1990年を基準とした一種の購買力平価になっており、それをドル価格換算したものである。
マディソンは、1820年と1992年のGDPと人口について分析しているが、1820年に世界経済のGDPに対する各国のシェアを見ると、第1位が中国の28.6%、第2位がインドの16.0%、日本は6番目にあって 3.1%、アメリカ合衆国は1.8%にすぎない。人口比も中国とインドを足すと世界人口比で50%を超える。したがって、この19世紀前半の1820年頃は、世界の人口センターも経済のセンターもアジアにあったということは言えるのではないかと思う。
ところが、1820年のアジア各国の1人当り所得はかなり小さい。これは、アジアは人口が多いからで、一方ヨーロッパ、アメリカ、特にイギリスは高いということになる。しかし、これは、この以前の18世紀半ば以降、産業革命、もっと重要なのは農業革命というものがあって、ヨーロッパは人口が少なくて土地が余っているので労働生産性が非常に上がったということによる。ヨーロッパはそういう初期条件のもとに、高い1人当り所得のレベルから、19世紀の産業化が始まっているわけだ。
しかし、アジアの1人当り所得は低く、日本が704ドル、インドネシアが614ドル、中国520ドル、インド531ドル、タイは約680ドルという数字が出てくる。この低い理由は、東アジアは、18世紀後半に、既に大きな人口増加があり、その人口増加で土地が足りなくなった。アジアの農業は水田が中心で、モンスーン気候帯にあって、労働吸収型、つまり村の中に多くの人口を吸収していくような社会をつくっていた。そういう中で、1人当たり国民所得というのは、1人当たり労働生産性の代理変数だとすると、労働生産性は低い。しかし、土地の生産性をはかると、アジアはヨーロッパに比べて圧倒的に高いという数字が出てくる。つまり、18世紀後半に、エコロジー、人口、土地、いろいろな側面でアジアとヨーロッパというのは違う近代への入り方をしていったわけだ。そして、こうした初期条件の違いを反映して、アジアの1人当り所得は、非常に低いが、人口が多いことから世界経済の中心であったということになる。
(B)アジアの高度成長
日本の1人当り所得は1820年の704ドルから、1992年に1万9,425ドルへ急増しており、これはやはり約2世紀にわたって大奇跡が起こったと言えるのではないか。明治維新直後の1870年に741ドルであることから、江戸時代後期50年は経済がスタグナントであったといえる。ただし、その以前は経済成長が非常に高かったということは、最近の日本経済史の中でいろいろ議論されている。いずれにせよ、こういう形でアジアの中で日本が興り、その後の1人当り所得で見ると、1950年以降のアジアの成長率は非常に高いということがわかる。ヨーロッパ、アメリカは、それに比べると成長率が低い。欧米とアジアの経済規模の趨勢を比較すると、例えば1820年に欧米先進8カ国のGDP総額が1,360億ドルであったのに対し、日本、インド、中国、タイ、インドネシアなどアジア最大8カ国の総額は3,430億ドルであり、アジアがほぼ3倍弱の規模であった。ところが、1950年には欧米先進国の2,527億ドルに対してアジアは842億ドルへと低下している。そして、1992年には、アジアの高度成長によって、欧米先進8カ国の総額10,209億ドルに対してアジア最大8カ国の総額は8,871億ドルへと回復してきている。また、同推計によると、1992年に世界のGDPに占めるアメリカの比率が20.3%、それに対して、既に中国が12.9%、日本が 8.6%、インドが、第5位で4.2%である。アジアは、世界人口の中心にあり、再度、世界のGDPに対する比率も回復してきているということになるのではないか。
このマディソンのデータを使ってアジア開発銀行が危機の前に出した有名な「Emerging Asia」の中に、以下のような話が出てくる。アジアは1820年、今から2世紀前に、ヨーロッパの産業革命が起こってくるころ、世界経済のGDPの6割弱を占めていた。ところが、1940年から1950年にかけてヨーロッパが急成長し、アジアのシェアが低下して、世界のGDPの2割以下の19%程度になった。それが1992年になると3割強にまで回復している。
そして、2025年に──なぜ2025年なのかはよくわからないが、──ちょうど1820年の数字に戻るであろう。つまり、アジアは世界のGDPの57~58%まで回復するのではないか。こういう大きな見通しがアジア開発銀行の「Emerging Asia」の中に書かれている。もちろんこういう数字はテクニカルな面でいろいろな問題があるのだが、私はこの動きというのは世界史の大きな流れなのではないかと思っている。
インド、中国を含む、我々が研究会でほぼ対象にしてきたこのアジアが、対ヨーロッパ、対アメリカで貿易赤字になったのは、実は戦後にすぎないのである。植民地時代も貿易はほとんど黒字である。貿易黒字だから投資収益が上がるわけであるが、インドの経済史家がコローニアル(植民地的な)ドレーンと言っている。つまり、アジアに金銀が行ってしまって、全然帰ってこない。それから、中国も「世界の銀がたまる国」と言われていた。これは、綿、お茶、砂糖、陶器といった物産はほぼアジアから流出していたが、一方アジアでは毛皮などは暑くて着ないので寒いヨーロッパには売るものがない。したがって、銀でしか決済ができないという形になっていた。これが、19世紀初頭までのアジアとヨーロッパとの関係ではないかと思っている。
そういう中で、産業資本主義というものが出てきて、アジアは相対的に没落の一途をたどっていくわけである。その過程で、いつの間にかヨーロッパの中に大きな自信ができ、先ほど言ったオリエンタリズム的な思考というものが出てくる。しかし、第2次世界大戦後、特に1950年代、1960年代以降、我々の現前でアジアの経済に何が起こっていたのか。もちろんさまざまな問題があった。しかし、それはこういう大きな歴史の転換、つまり、アジアから世界経済の中心がヨーロッパへ、ヨーロッパから19世紀後半から20世紀にかけて20世紀システムと言われる形でアメリカへ、アメリカへ移ったものが、今度、渡辺利夫さんが十数年前にお書きになった本がいみじくも言っているように「西太平洋」の時代に移ってきた。そういう大きな流れがあって、その中にアジアの高度成長があったのではないか。そのような視点がやはり必要ではないかと思っている。
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» 貞子が幽霊じゃないか実際に確かめる「投資戦略基本講座」。 [貞子ちゃんの連れ連れ日記]
とうとつですが、
やっぱり人間 元気 元気 元気が一番!元気があれば何でもできる!!!
みなさん、お元気ですか〜〜〜〜!!♪(←アントキの猪木のまね)
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コメント
匠さん、以下のサイトご存知でしょうか?
ご存知だったら失礼しました。
インド新聞-日本語で読むインドニュース
http://indonews.jp/
投稿: 兄貴 | 2008年5月 2日 (金) 15時33分
兄貴さん、こんにちは
返事が遅くなってすいません。
インド新聞、私も読んでます。
他にも、参考にさせていただいてるサイトがあるので、今度まとめてご紹介しますね!
皆さんからの情報で知ったサイトも多いので、これからも情報がおありでしたら、よろしくお願いします。
投稿: 匠 | 2008年5月 6日 (火) 09時03分