現代思想的金融危機理解
お正月、以前から興味を持っていた現代思想について簡単に書かれている(匠でも理解できる?)本を読んでみました。
最近はハイデガーが流行っているとか言われていますし、2008年米国主導の市場原理主義経済が破綻し、世界が新たな経済秩序(パラダイム)を構築していく過程において、金融あるいは金融関係者がどういう思想を背景に行動すべきなのか、その指針となるような考えについて参考とすべきものがあるのではないかと思うからです。
期待どおり……かどうかわかりませんが、デカルトの二元論(主観・客観)に代表される近代哲学のパラダイムを『神は死んだ』という言葉で打ち壊し、現代思想の時代を開いたフリードリヒ・ニーチェの哲学、そのニヒリズム(虚無主義)という思想と現在の金融危機・経済危機の世相がとてもよくマッチしているように感じました。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
ニヒリズムとは、今まで最高の価値と人々がみなし、目的としていたものが無価値となった歴史的事態のことを言う。「神が死んだ」後、私たちは科学という新たな神に未来を期待したが、第二次世界大戦は科学の恐ろしさを、あるいは科学進歩が必ずしも私たちの未来を明るくするものとは限らないということを証明した。
とあります。
この文章を、「神が死んだ」を社会主義経済の死、「科学」を自由主義経済としても良いし、あるいは「神が死んだ」をITバブルの崩壊、「科学」を金融工学と置き換えると現在の世相を表現していると言えないでしょうか。
もちろん、第二次世界大戦を2008金融危機に置き換えます。
このニヒリズムにおいて私たちが取りうる態度は大きく分けて2つあります。
- すべてが無価値・偽り・仮象ということを前向きに考える生き方。つまり、自ら積極的に「仮象」を生み出し、一瞬一瞬を一所懸命生きるという態度(強さのニヒリズム、能動的ニヒリズム)
- 何も信じられない事態に絶望し、疲れきったため、その時々の状況に身を任せ、流れるように生きるという態度(弱さのニヒリズム、受動的ニヒリズム)
ニーチェは(2)のように受動的に他者と画一的な行動をする現代の一般大衆を『畜群』と罵り、(1)のように無意味な人生の中で自らの確立した意思でもって行動する『超人』であるべきと説いています。
これは個人にとって重要であるだけでなく、国家としてのアイデンティティにおいてより重要な思想であるのだと匠は考えます。
一瞬一瞬を一所懸命生きる為に、自ら積極的に生み出す「仮象」とは……
『未来への希望』
に他なりません。
希望は与えられる(受動的)ものではなく、自ら積極的に生み出す(能動的)ものであることを肝に銘じて2009年もがんばっていこうと思います。。
本日、1月6日日経新聞経済教室において作家村上龍さんが“希望再興へビジョン描け”というタイトルで寄稿されています。
マスメディアや政府のありかたについて施策を述べられていますので、そちらも参照ください。
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