資産運用の新潮流
机上の空論ではなく、実践から考える時代に
資産運用においては、分散投資や長期投資という考え方が重要。多くの資産運用本にはそう書かれています。しかしながら、直近のリーマンショックなどを見ても分散投資型の投資信託は総崩れとなり、長期投資にいたっては日経平均が20年前の高値からほぼ1/4という結果が示すように、古典的な資産運用の常識だけで資産運用を行うことは適切とは言えません。
現代の資産運用理論で重要と考えられるキーワードについて、どんなものがあるか解説いたします。
コア・サテライト戦略
古典的な分散投資においては、運用全体をひとつの資産ポートフォリオと見立て、各資産の期待リターン、リスクを定め、資産クラスごとの相関係数から、最も効率的な組み合わせ(有効フロンティア)を導出するという過程を用いるが、この手法ではマーケットの歪みなどから得られる超過収益など、様々な投資戦略を初めから無視している。
コア・サテライト戦略とは前述した、古典的な分散投資などコア(中核)とする運用資産と、その戦術では得られない超過収益をあらゆる投資手法を用い別枠(サテライト)で運用する戦略である。
年金などの運用においても最近はコア・サテライト戦略が用いられてきており、コア(中核)となるインデックス運用の資産ポートフォリオにサテライトとして様々な手法のヘッジファンドが組み込まれているようである。
経済物理学
経済物理学とは、経済現象を物理学的な手法・観点から解明することを目指す学問です。現在のところ、扱う対象としては、株式、為替、先物などの市場、企業間ネットワークなどですが、これらは、大量のデータを用意でき、コンピュータ処理により研究しやすいという特徴があります。
経済物理学では、古典的投資論で用いられるリスク―リターンの分布が正規分布ではなく、べき乗分布であると指摘され、リスクのファットテール化など資産運用の実務において重要とみなされる示唆も多い。
他にも、相場における相転移や複雑系と呼ばれるシステム、カオス・フラクタル・自己組織化臨界性など、相場のメカニズムを解明するための研究が進んでいる。
行動経済学・神経経済学
行動経済学とは、典型的な経済学のように経済合理性を前提とするのではなく、実際の人間による実験やその観察を重視し、人間がどのように選択・行動し、その結果どうなるかを究明することを目的とした経済学の総称である。
人間の認知の仕方や心理的バイアスがどの様に経済行動における意思決定や市場価格に影響を与えるかを研究する分野である。
近年、人間の判断をつかさどる脳の研究(脳科学)がMRIなどの機器によって可能となり、脳そのものの働きを観察研究する神経経済学という新しい分野への発展も見られている。……
詳しくは、一般投資家が儲からない理由は「ドーパミン」など脳内物質の働きにあり!をご覧下さい。
