資産運用の武器
ヘッジファンドの武器
資産運用においてプロ中のプロである「ヘッジファンド」。彼らの武器となる投資戦術は、有名なロング・ショートやグローバル・マクロ、プライベート・エクイティ、イベント・ドリブンなど多岐に亘ります。
しかしこれらは巨額の運用資産があって初めて成り立つもので、個人投資家が簡単に行えるものではありません。
そこで個人投資家としての武器として、推奨したいのが<ソーシャル・イベント・ドリブン>という戦術です。
ソーシャル・イベント・ドリブン
ソーシャル・イベント・ドリブンとは、私が作った造語です。一般に証券投資用語で用いるイベント・ドリブンと区別する意味でソーシャル(社会的な)という語を加えました。
イベント・ドリブンという手法は企業の合併・分割などのイベントにより変化する企業価値を収益源とするものです。
それに対し、ソーシャル・イベント・ドリブンは社会一般的なイベントに対し特定の企業あるいは業種にスポットライトが当ることによる株価変動を収益源とする手法です。
もっと簡単に言うと、○月×日にはこういうイベントがあるから、その翌日には新聞やニュースでこの話題が大きく取り上げられる可能性が高いと予測し、このニュースが企業業績にプラスに働く株式を予め買っておくという戦術です。
古くは相場格言としてある「麦藁帽子は冬に買え」という手法です。以下、具体例を示します。
E3というイベント
2010年3月14日、ある大手ゲーム機メーカーが3Dの小型ゲーム機を年内に発売する予定であると発表し、この企業の株価は翌日買い気配を切り上げ高騰しました。
このニュース自体は情報開示までインサイダー情報であり、これを事前に察知して株を買うわけにはいきません。
しかしながら、この時はそのゲーム機自体のお披露目はなく、現物が公開されるのは6月15日から始まる北米最大のゲームショーE3でということでした。
このニュースから約3ヶ月、ギリシャの財政問題に端を発したユーロ安を受けて、欧州向け売上高比率の高いこのゲーム機メーカーの株価は大幅に下落しました。
この時点でどれだけの投資家がE3の開催、3Dゲーム機実物開示が6月15日に行われることを認識していたでしょうか。
そして、予想通りその3Dゲーム機は写真入で各メディアに取り上げられ、翌日から株価は大きく上昇しました。これは、このニュースを見てから、この企業の株を購入した投資家が多かったことを意味します。
株価の水準、材料の織り込み方、他の情報や投資環境全体の変化など、留意しなければならないことは、たくさんありますが、それでも今回のスキームは比較的うまくいったほうだと思います。
中国人観光ビザ緩和というイベント
2010年7月1日、富裕層に限定していた中国人の個人観光ビザの発給要件を7月1日から大幅に緩和されました。このイベントも各メディアで大きく取り上げられました。
このイベントが、プラスに働く企業はどこか、考えればいくつか想像できる企業があるのではないでしょうか。
例えば、旅行業、消費を期待して百貨店などです。特に、千葉県浦安市に展開する大型娯楽施設を運営する企業などは大幅な集客増が見込まれ、株価は期待感から今年堅調な値動きとなっています。
