資産運用の本質
資産運用と投資の違い、そのことを理解するまでに、なんと多くの月日を費やしてしまったことか……
1988年、証券会社に就職、証券投資アドバイザーとしてのキャリアをスタートした時、常に考えていたことは、
「何を買えば儲かるのか?」
ということでした。そして、何百冊の投資関連本や、数えきれない投資レポートを読みあさり、自分なりの投資理論を構築して数多くの上昇銘柄をお客様に提供してきました。
しかし、一時的な資産の急成長はあっても、しばらくするとお客様の資産全体はマイナスに……
なぜ、そういうことになってしまうのか、その答えは日本証券アナリスト協会の基本テキスト「証券投資論」の冒頭部分にありました。
“本書は、証券分析とポートフォリオ・マネジメントの理論を体系的に解説することを目的としている”
これを見た時、はっきりしました。自分は証券分析のみを提供するだけで、ポートフォリオ・マネジメントに関しては、ほとんどアドバイスすることがなかったのです。
一般に資産運用と投資は同列視されがちですが、英語でははっきりと区別されています。
資産運用=Asset Management
投資=Investment
ちなみに
投機=Speculation
博打=Gambling
です。つまり、私は投資のアドバイスはしていても、資産運用のアドバイスは行っていなかったのです。
私は、このことに気がついた時から、個別銘柄の動向より、資産全体の動向をより強く意識するようになりました。
ポートフォリオ・マネジメントは、基本的な分散投資理論に始まり、配分比率の変更方法、損失を限定するための保険(Portfolio Insurance)についてなど、さまざまな理論・戦略・戦術があります。
投資家の皆様におかれましては、「ファイナンシャル・ゴール」を目指すために、私が経験してきた失敗を繰り返さぬよう、ぜひ一度、資産全体を見渡し、「何を買うべきか」ではなく「どのようなマネジメントをすべきか」ということについて考えてみることをお勧めいたします。
« コンテンツ | トップページ | 資産運用の匠とは »
