2007年11月 7日 (水)

金商法の伝言ゲーム化を防げ

匠です。

リニューアル後、最初の記事はやはりこのBLOGにも大きく関わる『金融商品取引法』について、匠の思うところなんぞを書いてみたいと思います。

一昨日、東京12ch日経ビジネスサテライトでも取り上げられていましたが、この金融商品取引法の影響で個人投資にブレーキが・・・みたいな話でした。

それでは、まずこの『金融商品取引法』、金融庁のHPからどんなものか確認してみましょう。

「金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等の公表について」より
http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070413-3.html

本件全体の概要
http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070413-3/27.pdf

そして、そのまとめである
金融商品取引法制の政令案・内閣府令案等の概要
http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070413-3/28.pdf

「新しい金融商品取引法制について」(パンフレット)
http://www.fsa.go.jp/policy/kinyusyohin/pamphlet.pdf

内容について、ここで細かく紹介することはいたしませんが、“投資家保護”を重視している内容になっています。

ようするに、情報格差のある弱い投資家を情報優位である悪の(?)金融販売業者から守る為に必要な法規制となっています。

その為に、この法律では「適合性の原則」を含め包括的な行為規制(販売・勧誘ルール)が整備されています。

ここで、問題なのが“包括的”という部分です。

つまり、どこまでがOKでどこからがOUTかの判断基準があいまいである為に、事後的に当局がOUTと言えば、処分を受けるということになります。

「適合性の原則」を例にとると、高齢者にリスクのある金融商品の勧誘はOKか?否か?その線引きはどこにあるのか?などの問題です。

このような包括的な規制となっているのは、個々の事象は法律的にOKでも、全体で見ると常識的におかしいとか、法律の不備を突いた金融取引などに対応するためだと思われます。

しかしながら、このような包括的な規制では、良心的な金融業者であっても保守的にならざるを得ません。

新しいチャレンジなど考えられず、ノーアクション・ノーリスクのバイアスが強まることは容易に想像できます。

今回の『金融商品取引法』について、監督官庁である金融庁はどのように考えているのでしょうか?

佐藤金融庁長官講演「金融規制の質的向上:ルール準拠とプリンシプル準拠」
(平成19年9月12日・日経特別シンポジウム)
http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20070912.html

から、その考えが推測されます。

金融庁においては今回の『金融商品取引法』で「金融規制の質的向上」(ベター・レギュレーション)というコンセプトをイメージしているようです。

このベター・レギュレーションは以下4つの柱で構成されています。

1、ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の最適な組み合わせ
2、優先課題の早期認識と効果的対応
3、金融機関の自助努力尊重と金融機関へのインセンティブの重視
4、行政対応の透明性・予測可能性の向上

この中で、新しく重要な概念が

1、ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の最適な組み合わせ

です。

ルール・ベースの監督とは、ある程度詳細なルールや規則を制定し、それらを個別事例に適用していくということであり、行政の恣意性が入る余地が少なく、規制される業者側にとっても何をやったらどういう罰を受けるか想像しやすいものです。

それに対し、プリンシプル・ベースの監督とは金融機関が尊重すべき重要ないくつかの原則や規範を示したうえで、それに沿った行政対応を行っていくということです。法律で明確に定められていなくても社会通念上の良識や倫理観に悖る行為に対し監督するものです。

この最適の組み合わせというのが重要であり、ルール・ベースだけでは法律さえ守れば何やってもいいなど、法律の不備を狙った悪質な行為が蔓延る可能性があり、また逆にプリンシプル・ベースの規制が事後的・恣意的に適用されると金融機関は当局を恐れることによりビジネスを縮小せざるを得ません。

よって金融行政において、この最適な組み合わせを模索することが、日本の金融マーケットの地位向上について重要なテーマとなっているのではと想像します。

佐藤金融庁長官はこの講演の結びにおいて“ベスト・プラクティスの競争へ”と語られています。

最後に申し上げたいのは、このような効果的、効率的な監督が成り立つためには、あくまでも基礎となるのは各金融機関、金融仲介業者の自己責任に基づく法令遵守意識と倫理規範、行為規範であると思います。そのうえでルールへの理解とプリンシプルの共有を実現することが重要だと思っています。いわば業者の皆さんにはミニマム・スタンダードの達成を超えて、ベスト・プラクティスを競い合う心づもりで取り組んでいただきたいと思います。その競い合ってもらうための方向性を示すのも、このプリンシプルの役割であるのかなと思っています。また規制対象外の一般の市場参加者についてもルール遵守の定着が重要であることは言うまでもありません。

私ども行政当局としても公正・透明で活力ある金融・資本市場の確立に向けて制度設計や具体的な規制・監督に努めていく所存です。その際、冒頭で申し上げた行政対応の実効性、効率性、先見性、透明性、一貫性、時代適合性などを意識しながら、金融規制の質的な向上を目指していきたいと思っています。

残念ながら現在、現場ではミニマムスタンダードの考えが中心的であると思われます。

上記、金融行政の考え方が本当に浸透していく過渡期間と言えるのかも知れませんが、建築行政や文部行政においても最近のニュースを見る限り、当局の意向が現場に伝わるまでの間、伝言ゲームのように本旨が歪められ、現場の業務が混乱し、結局最終需要者である投資家や消費者、子供の不利益になりかねない状況が生じているのではないかと危惧されます。

この伝言ゲームを避けるために、現場が当局の意図を直接HPなど通して理解し、そして当局においても現場とのコミュニケーションを検討して欲しいと思います。

匠はIFAという立場からも、このミニマムスタンダードからいち早く脱し、ベスト・プラクティスの競争に勝ち抜けられるよう、様々な提案や創意工夫を行い努力していきたいと思っています。

皆さん、応援よろしくお願いいたします。

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2007年11月 6日 (火)

ブログ再開します

匠です。

長らくお待たせいたしました。

本日より、BLOG『独立系証券マン日記』リニューアルして再開します。

立場上、様々な制約もあり、「おや?」「なぜ?」といった疑問に思う表現があるかも知れませんが、ご容赦ください。
(気になる時はこちらのフォームよりお問い合わせください)

また、当初はサイトに不備など見られるかも知れません。お気づきになられた方はフォームからご一報いただければ、大変ありがたく存じます。

内容に関しては以前と同じく、資産運用に関することを中心に書いていく予定ですが、もしこのような内容を取り上げて欲しいなどというものがありましたらコメント欄にご記入ください。参考にさせていただけたらと思っています。

以前は、ほぼ毎日書くことを目標にしていましたが、今後は速報性のあるものは別として、頻度よりも内容重視(?)で書きたいと思っています。

よろしくお願いいたします。

過去ログについては、気に入ってるもののみ、今後再アップしていく予定です。

また、同時にFinancial Technocrat Group HPも再開します。(一部データ未整備)

そちらのほうも、よろしくお願いします。

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